特別講座3

「未知の世界、宇宙学」松尾尚子先生

-宇宙って、どんなところ? 地球って、どんなところ?-

 
  • 講師:松尾尚子先生(宇宙航空研究開発機構JAXA)
  • 日時:2019年8月10日(土)
  • 会場:鳥栖市民文化会館 小ホール

講座レポート

すっかり大人気となった、夏休みの小学生向け特別講座。テーマはズバリ「未知の世界、宇宙学」!講師は、基山町の東明館中学校・高校出身で、現在JAXA(宇宙航空研究開発機構)で活躍中の松尾尚子さん。講座には定員300人を超える応募があり、その中から抽選で選ばれ子どもたちや保護者さんたちが鳥栖市民文化会館小ホールに集まりました。

小学生の時から宇宙が大好きで夢は天文学者だったという松尾さん。ちょうどハレー彗星が一番地球に近づいた時、クリスマスプレゼントに買ってもらった天体望遠鏡で毎晩夜空を眺めていたそう。そんな松尾さんがいつも感じていたのは「何で?」。「何で土星には輪っかがあるの?」「無から宇宙が生まれたって何で?」と図鑑をずっと読んだり、宇宙関係のテレビ番組を録画して何度も観たりしていたんだとか。中学生の時はおこづかいをはたいて毎月科学雑誌を買って毎回ワクワクしていたといいます。

講座の最初のテーマは「宇宙ってどんなところ?」。地球と宇宙の大きな違いを身近なもので実験して理解してみよう!と出てきたのは何とマシュマロ。漬物を入れる容器にマシュマロを入れ、ポンプで空気を抜いていくとマシュマロがパンパンにふくらんでいきます。逆に空気を抜くと半分以上に小さくなり、会場からはどよめきの声とともにあちこちから「何で?」の声があがりました。空気のない真空状態の宇宙をマシュマロでわかりやすく実験・説明してくれた松尾さん。また料理用のはかりを使って無重力を体験する実験も行い、会場は大いに盛り上がりました!

普段は、なかなか見られない国際宇宙ステーション(ISS)の映像も披露。宇宙飛行士の日常生活を食い入るように見入る子どもたち。最新の宇宙食や食いしん坊の宇宙飛行士の話も飛び出し、会場は大爆笑。ISSが1秒間に8キロのスピードで90分間で地球を一周し、1日に16回も太陽が昇ること、実は地球の重力の影響で下に落ちながら回っているという事実を知り、会場のみんなは驚きの表情でじっと松尾さんを見つめていました。

続くクイズコーナーでは、ISSでは空気や水をどう作っているかなど、松尾さんの質問に一生懸命頭をひねる子どもたち。全問正解者には松尾さんからプレゼント(貴重なJAXAのクリアファイル!)がもらえるとあって、会場の熱気は上がる一方!

次のテーマ「地球ってどんなところ?」では、「46億歳の地球の今を知ることによって未来を予測することが大切なんだよ」と真剣に語ってくれた松尾さん。現在地球では温暖化など問題をたくさん抱えています。それを宇宙からの視点でどう解決していくか、現在行われている研究を一つひとつ丁寧に教えてくれました。

今回の講座で、今まで知らなかった宇宙のことをたくさん学んだ子どもたち。Q&Aでは質問がひっきりなしに飛び交っていました。お母さんと一緒に受講した有田小学校4年生の波田志音さんは理科や算数が大好きというリケジョ。「目の前で実験を見られて楽しかった!将来は宇宙飛行士になりたい」と興奮気味に話してくれました。

「視野が広がることでワクワク、ドキドキが増えて、自分が変わっていくのが楽しい!」と笑顔で語る松尾さん。「不思議に思ったことって大事なんよ。なんこい?どがんなっとうと?がばい面白かね!と思えたら最高。心に残る何かば見つけたら最高ばい!ワクワクば、大事にせんね!」と最後に佐賀弁で力強いメッセージを会場のみんなに送ってくれました。

講座が終わっても、子どもたちに囲まれて気さくに質問にこたえていた松尾さん。暑い夏休み、熱気に包まれた中みんなの瞳がキラキラと輝いた記念すべき1日となりました。

講師プロフィール

松尾尚子

1977年生まれ。東京理科大学、東京大学大学院理学系地球惑星科学専攻を卒業した後、2002年宇宙開発事業団(JAXA前身)に入社。国際宇宙ステーション(ISS)での実験や宇宙飛行士の広報に携わり、若田宇宙飛行士、野口宇宙飛行士、古川宇宙飛行士のISSでの初めての長期滞在を支えた。現在は、新しい衛星のミッションに取り組んでいる。