25時間目のテーマは、「盛り上げる学」。講師にお迎えしたのは、ラジオ番組のDJやイベントのMCとして活躍するYUYAさん。伸びやかな低音ボイスを武器に、スポーツの試合やライブ会場、朝のラジオ番組など、その場の雰囲気に合わせた声の質やテンションで、会場を盛り上げる達人です。今回は観覧を希望する“大人世代”の応募も多く、当初の予定より広い会場に変更し、プロの技を伝授してもらいました。


まずは、YUYAさんの人生のお話から。ラジオDJになりたいと思ったのは高校生のとき。「きっかけは、兄貴が聞いていた佐野元春のラジオ番組。そこから流れてくる音楽がめちゃくちゃ癒されるし、めちゃくちゃテンション上がるし、人の気持ちを揺さぶるような楽曲をかける仕事の尊さを初めて知った」とYUYAさん。「佐野さんの“いい番組にはいいDJがいる“の言葉が自分に刺さって、俺もよかDJになって、よか音楽をかけて、よか番組が作りたかなあって思いました」。このエピソードには続きがあり、それから数十年後、人気DJになったYUYAさんは長崎の野外ロックフェスティバルのMCとしても活躍。そこに、アーティストとして佐野元春さんが出演し、自分のMCで佐野さんをステージに呼び込むという奇跡的な巡り合わせ!「まさに、自分がDJを目指すきっかけになった人。こんなことがあるんだと感激しました」。

大学生になったYUYAさんは、DJ研究会に所属し、学園祭やミニFMなどでDJ活動を開始。運命的だったのは、大学卒業のタイミングとエフエム佐賀の開局が重なったこと。局アナとして入社し、下積み時代は裏方の仕事も多く、一つの番組が色んな役割の人たちに支えられていることを実感できたといいます。その後、Jリーグブームとともに、サッカーチーム・鳥栖フューチャーズ(現J2サガン鳥栖)のスタジアムDJに。選手紹介をはじめ、進行役を担いながら言葉で試合を盛り上げて、DJ YUYAとして唯一無二のスタイルを生み出しました。
スタジアムDJだけでなく、バスケットボール・B1佐賀バルーナーズのアリーナDJや音楽フェスのMCなど、人気DJとして幅広い活躍は佐賀に住んでいる方ならご存じのはず。そんなYUYAさんに教えてもらったのが、その場の空気を変えて周りを盛り上げる5つのコツです。
①観察する ②崩す ③間を操る ④繰り返し ⑤インタラクション(お客さんとのやりとり)
まずは、会場の雰囲気や客層をよく観察すること。テクニックとしては、主語と述語を逆にして、文章の語順を崩して印象を強くしたり、わざと間をつくって相手の注意を引きつけたり、相手が使った言葉を繰り返すなど、真似してみたい技がいろいろ。なかでもインタラクションは、いわゆるコール&レスポンスで、「客席から声を出してくれると、会場の空気が1~2度上がった感じになる!」とYUYAさん。

さあ後半は、YUYAさん直伝の技を使って、DJになりきるワークです!お題は、「あなたが弘道館2のMCだったら、YUYAさんの登場シーンでどんな言葉で呼び込みますか?呼び込み時間45秒以内で」というもの。講座のお目付け役の倉成英俊さんが、「サガン鳥栖やバルーナーズのトピックを入れたり、YUYAさんの声の特徴に触れたり、正解はないので、いろんな切り口で考えてみましょう。失敗しても大丈夫!」と、考えるヒントを散りばめながらアドバイス。会場のみならず、オンライン参加している受講生からも募集。どんな言葉が生まれる楽しみです。


みんなが考えてくれた呼び込みは傑作ぞろい!なかでも面白かった4人には、実際にMCとしてマイク前に座ってもらい、ゲスト役のYUYAさんを呼び込んでもらいました。スポーツを切り口にした方や、ラジオのリスナーとしての想いを盛り込んだ方、冒頭の「つかみ」で会場の笑い取った方などYUYAさんをリスペクトしているからこそ出てくる言葉の数々。ちなみに効果音や音楽もつけて、まさに本番そのものスタイルで実演してもらい、YUYAさんもそれぞれのMCに合わせて4回登場していただきました。ぜひともこの盛り上がりと空気感は、アーカイブにてご覧ください。

最後は恒例の佐賀弁でのメッセージです。「生きてたらいろんなことがあるけど、その想いを自分の中で燃料にして、エネルギーにして大きな声で叫んでみらんですか!」、「言霊って言葉があるように、一旦放った言葉には不思議な力が作用して、現実に向かっていく大きな力になる。想いを言葉にのせて、大きな声で叫んでみてください」。

友人に誘われて講座に参加したという社会人の久保亘輝さん(21)は、「サガン鳥栖やバルーナーズの応援に行くので、いい声だとずっと思っていた。盛り上げるコツはいろいろあったけど、間の使い方を大事にしたいと思った。人と会話するときにも、いろいろ使えそう。呼び込みのワークショップは、一緒に来た友人が実演したので、自分ももうちょっといいのが作りたかったな(笑)」と満足そうな表情をみせてくれました。
講座を終えたYUYAさんは、「いつもはあくまで裏方の立場なので、自分の人生を振り返りながらしゃべるのは少し恥ずかしかったです。MCのワークでは、自分のフィルターを通した言葉で、みなさん見事なトーキングをしてくれて、本当に素晴らしかった。言葉一つひとつが胸に刺さりました。これを励みに、もっともっと皆さんをリフトアップできるようなしゃべりをしていきたい」と感想を語ってくれました。
YUYAさんのように、一度にたくさんの人をアツくすることはできなくても、自分の話す言葉で場を和ませたり、身近な人を元気づけたりできたら、それはとっても素敵なこと。使い方次第、話し方次第で、その場の空気を変えるのが言葉のチカラ。あなたの想いを言葉にのせて、みんなで佐賀を盛り上げていきましょう!


1969年みやき町生まれ。
1992年FM佐賀に入社し、1997年フリーランスに。ラジオではFM長崎、FM熊本、クロスFMなどでもレギュラー番組を持ち、テレビはNHK佐賀、サガテレビ、TVQ九州などに出演。
スポーツMCとしてサガン鳥栖のスタジアムDJ、佐賀バルナ―ズのアリーナMCを担当。その他、各種イベントでMCを務める。